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メイクアップアーティストから店舗づくりのスペシャリストへ異例の大抜擢

MAKE / HAIR

プロフィール/小森 ちづる
ビジュアルマーチャンダイザー
2014年メイク・ネイル学科卒業

思いがけない資質を見出され新たな角度からメイクに関わっていく

世界的コスメブランド『M・A・C』の中でも、小森ちづる氏の経歴は少し変わっている。在学中の2013年に特別インターシップ生となり、まずはメイクアップアーティストとして百貨店の店頭に配属。そのわずか4年後に、全国に60店舗以上ある『M・A・C』の店頭ディスプレイなどを統括するVMD(ビジュアルマーチャンダイザー)に抜擢された。本国が決定する店頭展開イメージに沿って、日本の『M・A・C』がどのような表情でお客様を迎えるか、それを一手に担う店舗づくりのスペシャリストだ。VMD未経験での抜擢は異例だという。

2016年の春、『M・A・C』ほか多くのブランドを抱えるエスティローダーグループが、アジアのミレニアル世代(1980~2000年生まれの世代)のスタッフから代表者を招集した次世代会議を開催。『M・A・C』代表の1人として小森氏が選出された。留学時に培った英語力を存分に発揮し、世界中から集まった同世代のスタッフたちとともに次世代の販売戦略をプレゼンし見事優勝。その際に店頭プロモーションの図案作成を担当したのがきっかけで、VMDとしての資質を見出された。メイクアップアーティストの職を極めることを目標に頑張ってきたが、「他の人に『やってみたら』と勧められることをやってみよう」とそこで考え方が変わったという。

特殊メイクと美容メイク。両方をモード学園でバランスよく修得

小森氏がメイクに興味を持ったのは幼少時代。ドラッグストアのテスターでよく弟の顔に傷メイクを施していた。「本物の傷に見える」と母親には叱られたが、自分のメイクが本物に見えた感激がはるかに上回った。そして、2000年代に『ハリーポッターシリーズ』など、最新の特殊メイクを駆使したファンタジー映画のブームを経験すると、特殊メイクへの興味はさらに膨む。女性として美容メイクにも出合う年頃だ。そんな中、小森氏の人生を決定づけたのは、中学卒業後に行ったオーストラリア留学。現地で入った『M・A・C』の店舗で、タトゥとロックスタイルに身を包んだスタッフの姿に衝撃を受ける。「他のブランドとは一線を画す、おしゃれさ、かっこよさにしびれました。プロ向け商品も多く扱う『M・A・C』なら、特殊メイクと美容メイクの両方に携われる。ここを目指そうと決めました」。父親の勧めもあり、モード学園へ進学。メイクアップアーティスト専攻に在籍しながら、特殊メイクの授業を選択し、両メイクを並行して学んだ。「就職は『M・A・C』に決めていたので、先生に何度も相談して万全な受験対策をしました。大量の衣装を持ち込んで、先生に面接の勝負服を決めてもらったり、応募書類用写真のアドバイスをもらったり。先生の親身なご指導があって勝ち得た採用だったと思います」。

小森さんに今後の展望を尋ねた。「日本だけでなくアジアを統括できるVMDに憧れます。「日本の『M・A・C』といえば…」と名前を出してもらえるような存在に成長したいですね」。学生時代に描いた夢とは違うが、当時予想もできなかった大役を、今、小森さんは掴んでいる。

プロフィール/小森ちづる

在学中の2013年から特別インターシップ生として、『M・A・C』のメイクアップアーティストとなる(※勤務内容を報告すれば、授業出席と同等とみなされる)。百貨店で勤務した後、全国の店頭展開を統括するビジュアルマーチャンダイザーに就任。