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企業が欲しいのは、総合力のある人。
技術プラスαの武器で、求められる人材を目指せ

INTERIOR

デザイン業界は実力社会

できるヤツのところに仕事がくる

創造する、思考する、 表現する、協調する

コクヨファニチャー(株)ストア事業本部のデザイン室でプランナー兼チーフデザイナーとして、敏腕をふるう宮田久嗣氏。商品開発、業態開発、ショッププロデュースなど多岐なビジネスを通じて、グローバルな視点から企業のブランド戦略を推進するポジションとして活躍中だ。

そんな宮田氏に、人材についての質問を投げかけると「企業の立場からいえば、欲しいのは“脳みそ”になる人間だと思う」という答えが返ってきた。そこがデザイン事務所の求める人材とは違うところなのだ、と。

もちろん技術は大切だが、これからの時代、考えることができない人間は、結局は生き残れない。単なる作業なら、外注することもできるからだ。そして「ただし、どんなに素晴らしい発想を持っていても、それを表現できなければゼロに等しい。考えたことを表現できる力も欲しいね」と続けた。

また、会社が大きくなるほど、手がける仕事のスケールも大きくなり、必然的に関わる人も増える。ゆえにコミュニケーション能力の必要性が高くなる。どんな仕事もチームワークであり、気持ちが1つにまとまらなければよい成果は上げられない。相手の気持ちや立場を無視して「我が道を行く」ではダメなのである。

様々なクリエイティブの現場を渡り歩く

宮田氏がこれまで歩んできた道のりは、バラエティに富んでいる。モード学園を卒業後にデザイン会社に入社。ここでプランニングからデザイン、現場まで、ひと通りを経験した後、インダストリアルデザインを学ぶためにミラノへ留学する。帰国後、建設会社、内装設計施工会社、デザイン事務所などを渡り歩き、建築、空間、プロダクト、グラフィック、映像、様々なクリエイティブの現場を体験。やりたい仕事ができる会社に入り、十分経験を積めたと思ったら次へ行くのが宮田氏のスタイルだ。

当然ながら「入りたい」「やりたい」という気持ちだけで、採用されるほど甘くはない。

目下全盛の3DCGにいち早く目をつけ、専門学校に通ってノウハウを修得したり、建築会社と対等に話をしたいという思いから、建築士の資格を取得し、自ら建築設計を経験するなど、常にスキルアップは怠らなかった。「誰だって、仕事は“できる人”に頼みたいと思うもの。武器は多ければ多いほどいい」と、1つずつ引き出しを増やしながら、幾度となく狭き門を突破してきたのだった。

がむしゃらにぶつかることで
必ず一歩前に進める

コクヨファニチャー(株)に入社したのは、6年前。柔軟でユニークな社風にひかれ、それまで培ってきたものをトータルに発揮できる場所として選んだ仕事場である。

総合的なディレクションを任される機会が多くなるとともに、自分の手を動かすのではなく、頭や人を動かすマネジメント業務が増えてきた。そんな中で若手社員を見ていて、ある種のはがゆさを感じることもある。

「昔と比べて情報収集が容易になった半面、 ツールがあり過ぎて、どれを選べばいいかわからないことも多いのではないか…」。迷うのは決して悪いことではないが、わからなければわからないなりに、ツールに頼りすぎず、がむしゃらにぶつかって、苦労しながら最後までやり通してみるというのも必要。そうすることで、必ず前に進める。見えなかったものが見えてくると力説する。

また、デザインに関していえば、ぜひ歴史を学んでほしいとのこと。「デザインは歴史を繰り返す。歴史を学ぶことで、新しい発想も生まれるから」

次から次へとあふれ出る、自身の経験を踏まえたアドバイス。宮田氏の、若い世代たちへの大きな期待が感じられる。

宮田久嗣

1993年インテリア学科卒業。デザイン会社で有名アパレルのディスプレイや展示会のデザイン、店舗設計などを経験後、渡伊。インダストリアルデザインを学ぶかたわら、欧州系ビンテージ・プロダクトのバイヤーを務める。帰国後は、建築、インテリアをはじめ、様々なジャンルのデザインを手がけて活躍。現在はコクヨ(株)ストア事業本部デザイン室に在籍。