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中学生の頃から思い描き続けた長年の夢を自分のチカラで形に

FASHION BUSINESS
辰田 実優
rienda プレス
ファッションビジネス学科
憧れだったからこそ、
今の仕事にやりがいを感じる

今は経験あるのみ。いつか点を線に繋げていく

弱冠23歳にして、憧れだったバロックジャパンリミテッドのプレス職に就任した辰田実優氏。コロナ禍の就職活動は困難をきたしたが、見事、十年来の夢を実現させた。

ファッションに興味を持ったきっかけは、中学2年の時に観た映画『パラダイス・キス』。高校は家政科に進んだ。
「ファッションショーがやれる学校で、卒業制作はウェディングドレスでした。ショーの実行委員も担当して、ファッションに対する熱が高まっていきました」

当時は長崎にいたが、進学先は福岡でも大阪でもなく東京を選んだ。
「“やるならとことんやれ”という父の教えがあって、ファッションなら東京、何なら海外へという考えだったんです。心配もされましたが、それでも後押ししてくれた父と母のおかげで、私も東京に行きたいと思うようになりました」
直入だったため、当初、友達づくりに苦労したが、それも束の間の話。ファッション業界に同級生がいて、お互いに情報交換ができることは今ではかけがえのない財産だ。

モード学園の在学中から、表参道にあるThe SHER’TTER TOKYOでショップスタッフとしてアルバイトも始めた。MOUSSYのデニムが好きで、上京するときから「バロックに入りたい」と宣言した通り、まずは一歩、憧れの場所へと近づいた。
「高校生の頃は映画の影響もあって、ファッションショーに関わる仕事がしたいと思っていたのですが、ショー運営というよりもブランドの世界観を伝えることがやりたいんだと気づいて、プレスという職種を目指しました。そこからは言霊はあると思って、バイトの面接の時から『将来はプレスになりたい』と言い続けていました」

学業との両立は苦労も伴ったが、学校のストレスは仕事で、仕事のストレスは学校で解消できてよかったと言う。
「ふたつの軸に支えられたという気持ちです。バイトだからという理由で優遇されるのは、自分のなかで納得ができなくて。私はこの仕事を好きでやっているんだからと、立場は違っても社員さんと同じような気持ちで仕事に取り組んでいました」

卒業はコロナの真っ只中。多くの企業が新卒採用に及び腰になっていたこともあり、苦戦と挫折を味わった。
「それでもやっぱりバロックが好きだったし、一度バロックのプレスにならないと自分は次に進めないと思って、契約社員として残る決断をしました」

残ったとしてもずっと契約社員のまま働き続ける可能性もあったが、自分の直感を信じて賭けた。その一年後、新設された社内公募制度に応募し、面接を重ねた結果、riendaの事業部長から声がかかる。自分を信じた結果、正社員としてプレスの道が開かれたのだ。
「憧れだった分、今はすごくやりがいを感じています。時間をかけてひとつの物事を成し遂げた時や、撮影が終わってビジュアルがアップされた時に大きな成功体験が味わえるので、自信にも繋がっています。先日はみんなで案を出し合って、モード学園で撮影することもできました」

まだ夢に見たストーリーは始まったばかり。最後に今後の目標を聞いてみた。
「今は、点で仕事をしている感覚なのですが、いつかそれを全部結んで、大きな何かを成し遂げられたらと思っています。今までやってきたことはすべて無駄ではないので、ファッション業界に少しでも影響を与えられる人間になれたらいいなと密かに考えています」

※卒業生会報誌「MOGA PRESS」78号(2023年11月)掲載記事

PROFILE

辰田 実優
rienda プレス
ファッションビジネス学科

2000年、長崎県生まれ。在学中から、バロックジャパンリミテッドの旗艦店でショップスタッフとして従事。卒業後、そのままショップスタッフとしての1年を経て、riendaのプレスに就任。若きエースとして注目を集める。