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飽くなき探究心で自分が思う“カッコよさ”を貪欲に追求

FASHION
後藤 凪
NaNo Art ディレクター
ファッションテクノロジー学科
責任を自分自身に課して
逃げない人生を歩む

天井の高さを認識しながらスピード感を持って一歩ずつ

学生時代から、自分でブランド運営をしていた後藤 凪氏。学校内の様々な学科の学生を繋げ、クラブイベントなども開催してきた。

3年生からは積極的にコンテストに参加。学内で華々しい結果を誇り、独立して自分のブランドを立ち上げる道を選んだ。しかし現実は甘くなく、暗中模索のなか焦燥感を感じていた時、モード学園校長からの声がけで、モード学園卒業生でもあるハナエモリ マニュスクリのクリエイティブディレクターを努めていた天津憂氏のアシスタントの道を歩むことに。
 「今では、どんな人であれ、僕はアシスタントをやったほうがいいと伝えています。自分の天井を突き抜けるにしても、早い段階で一線の人たちが集まる場所に飛び込むと、自分の天井の見積もりがいかに甘いかに気づかされます」

天津氏の仕事はそれにとどまらず、SHISEIDO THE STOREのユニフォームや著名な方々の衣装など、実に幅広かった。
 「今、僕もテレビドラマなどオーダーの衣装づくりも手掛けているのですが、この仕事がかっこいいと思わせてくれたのが天津さんでした。何個も仕事を抱えながら前に進んでいく姿を見て、こういう人になりたいというモチベーションになりました」

そして2019年の大晦日にアシスタントを辞め、年始に独立。コンテストでしのぎを削った同じモード学園出身の田中睦人氏とタッグを組み、NaNo Art(ナノアット)として早々にファーストコレクションを手がけた。
 「『お前そんなに絵がうまいのに、なんでコンテストの服はダサいんだよ、僕がつくったほうが絶対におしゃれになる』と僕が言ったことを彼が覚えていて、一緒にブランドをやらないかと誘われたんです」

凪(なぎ)と睦人(のぶひと)で“ナノ”、そこからナノサイズの美術館をつくろうと、ブランド名が生まれた。アートではなく、アットと読ませるのは、呼びやすさと、今後展開を広げたときに接続詞のような機能を果たすからだと言う。「将来の夢を見据えていたんです。若さゆえに」と笑う。
 ふたりともコンテストで名を残していたため、全国の服飾関連の学生にとっては、名が知れている存在。ブランドのスタートは順風満帆だった。「みんな応援して買ってくれました。『お前ならできるよ』という言葉で送り出されているような感覚でしたね」

シーズンコンセプトは自身が、デザインは田中氏が行い、最後のブラッシュアップをふたりで行う。現状に対するアンチテーゼから生まれるテーマ、2024SSは“Rest in peace”だ。
 「長生きは善という考えがありますが、かっこよく生きる、後悔なく生きることが本質であって、長生き自体にはあまり意味がないのではないかとずっと引っかかっていて」

コンポストにいれるとダイオキシンを出さずに水と二酸化炭素になるポリエステルを使って、古着として長く残るものよりも、かっこよく、清々しく死ぬこと表現した。
 東京コレクションを経て、今後はブランド運営だけでなく、アパレルにまつわる別の形での展望も考えている。過去にも2社の起業を経験した。
 「海外でコレクションをやりたい気持ちもあるけれど、まずはブランド含め日本で安定させて、次は上海、そこから4大コレクションを見据えていければと思っています」実直に、貪欲に先を見据え、着実に前へ進んでいく。

※卒業生会報誌「MOGA PRESS」78号(2023年11月)掲載記事

PROFILE

後藤 凪
NaNo Art ディレクター
ファッションテクノロジー学科

1994年、愛知県生まれ。モード学園卒業後、ハナエモリ マニュスクリのデザイナー兼ディレクターで卒業生でもある天津 憂氏のアシスタントデザイナーに。2020年、モード学園出身の田中睦人氏と共に、NaNo Art(ナノアット)の秋冬コレクションを独立と同時に発表。楽天ファッションウィーク東京2024SSにも参加。『Tokyo 新人デザイナーファッション大賞』優秀賞をはじめ、数々のコンテストで受賞歴を持つ。

NaNo Art
https://nano-art.design/