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オリジナルブランドをパリで展開!ECもSNSも重要なツール

FASHION

佐藤 桐子
KIRIKO SATO
帽子デザイナー

在学中は学べることはすべて学ぼうという気持ち

デイリーに使える常時コレクションもあれば、アート作品のような帽子も。佐藤氏は帽子を飾っておけるような彫刻もいつかは手がけたいと語る。

幼い頃に祖母から人形の洋服づくりを教わっていたことがきっかけで、ファッションに興味を持ったという佐藤桐子氏。中学生の頃には人間の服をつくることに興味が移り、地元・名古屋のモード学園への進学には迷いがなかった。

 「とにかくファッションをやりたかったから、在学中の4年間は学べることは全部学ぼうと思って、昼間はファッションを、夜間ではメイクやネイルも学んで、その合間でバイトもしていたので、本当に目まぐるしくも濃厚な日々でした」

当時のことを思い出して楽しそうに語る。話している間、とにかくよく笑う姿から感じるのは明るく華やかなエネルギー。

「今はいらっしゃらないんですけど、在学中に出会った青山先生の影響かもしれません。とてもユニークかつ強烈な先生で、『桐子さん、流行っているものは深く考えずに全部やってみなさいよ、その後どうするか決めればいいでしょう』という感じで、生きる指針としてもすごく刺激を受けました」

偶然の出会いに導かれて帽子デザイナーの道に

そんな佐藤氏がパリに行こうと思った理由、帽子デザイナーとしての活動を始めたきっかけは――。

「卒業後は子供服ブランド、その後はレディースブランドの会社に入ったんですが、どうしてもファッションの本場パリを見たいという気持ちが抑えられず。当初半年の予定が気づいたらもう12年です。パリで知り合ったオランピア・ル タンさんのアシスタントをした後、今の帽子の先生に出会い、帽子に興味を持ち、つくり方を習ったり人を紹介してもらったりしているうちに…。まさか自分に帽子をつくる将来があるなんて思ってもいなかったですが、今は大好きです」

現在は自身のブランドを立ち上げて、ひとり何役もこなしている。

「肩書で言ったら、デザイナー、社長、経理、ディレクター…など。一番楽しいのはやはりデザインしている時で、頭の中のアイディアをキャッチしてデザインに活かせた時は何にも変えがたい喜びを感じます。こちらもコロナ禍の影響はもちろんあって、販路確保のためのオンラインショップの重要性をより感じるようになりました。私たちが若い頃はまだなかったSNSも重要なツール。カタログと違ってSNSではやはり写真の点数が多くないと戦えませんから写真のことも今、勉強中です。将来的にはファッションがデジタル化して、例えばインターネットで好きなデザインを買って自分で3Dプリンターで印刷するということも増えてくるだろうから、取り残されないように、ちゃんと最新のものも学ばないといけないと思っています」

最後に在校生に向けてのメッセージをお願いした。

「 やっぱり“人生楽しく!”。自分が好きなことを楽しくやっていたら絶対、人も集まって色々なコネクションもできてきます。だから大事なのは自分自身が楽しむこと。私みたいにこんな変な人もパリで会社やれているんだと思ったら、気が楽になりませんか?(笑)」

※卒業生会報誌「MOGA PRESS」75号(2021年1月発刊)掲載記事

Profile

佐藤 桐子
KIRIKO SATO
帽子デザイナー

卒業後、ナルミヤインターナショナル、株式会社モクモクを経て、2008年に渡仏。ギャラリ ーラファイエットのクリスマスウィンドーや、パリデザインウィークでのBloom Roomとのコラボレーションなど、精力的に活動。2013年、自身の帽子ブランドアトリエ「KIRIKO SATO」を立ち上げ、2016年にはK.S.Creativeとして会社を設立する。