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特集「モードがエンタメる!」
ファッションはエンターテインメント
奥が深く、知れば知るほどのめり込む

FASHION

SNSで公開するコーディネートが話題に

時代を超えて愛されるスタンダードの中にアイデンティティーを光らせたクロージング提案で注目を集めるメンズブランドName.。そのプレスとしてファッション業界の最前線を疾走する松坂生麻氏は「ファッションは紛れもないエンターテインメントである」と力を込めて語る。誤解を恐れずにいえば、ファッションは人生に不可欠なものではない。“おしゃれ”という概念を持たず、服を服として求めるだけなら何だってよいのだ。しかし、古今東西、人々は自分の感性に合うブランドやデザインを探求し、装うことに貪欲である。その理由は、そこに夢や希望、喜びがあるからだと思っている。何より松坂氏自身がファッションの魅力に取りつかれた一人だ。「正解がないゆえに、のめり込んでいく世界。知れば知るほどわからなくなる。だから面白い」。

ブランドとメディアをつなぐキーパーソンとして様々な戦略を立案、実行する中で、大切にしているのはエンドユーザの目線だ。洋服なら着る人、雑誌なら読者が見てカッコいいと思うかを常に意識している。また、WEBを駆使した活動にも余念がない。大手ファッション通販サイト「ZOZO TOWN」が運営するSNSでは、自らがモデルとなってブランドのコーディネートを公開中。センスの良さが話題となり、現在フォロワー数は20万人を突破した。サイトを見たファンから問合せが入ったり、実際にショップまで買い求めに来てくれたり、有効なPRにつながっていることに手応えを感じている。

努力した分だけ返ってくる充実したモード学園時代

モード学園に入学した当初は、厳しい授業や膨大な課題にどうにかついていくという日々を過ごしていたが、半年ほど経った頃にふと「このままではいけない」と目が覚めた。「人生で初めて強い意志を持って臨んだ」というように、懸命に授業や課題に向き合い始めた。すると、学ぶことが面白くなってモチベーションがアップ。また、知力の限りを尽くして制作した課題を提出すれば、当然その評価は楽しみになり、高評価をもらうことでさらにやる気が出た。「努力した分だけ評価として返って来たので、充実した学園生活を送ることができた」と回顧する。

印象に残っているのは撮影実習だ。学園内には本格的なフォトスタジオがあり、テーマに沿ってスタイリングをし、撮影を行う。「モデルやヘア・メイクも頼んでの実戦的な撮影で、毎回ワクワク。こんなのモードでなきゃ絶対できないなと感動した」。この経験は、実際に誌面をつくる仕事に携わるようになった今、大いに役立っているという。

そんな松坂氏からの後輩たちへのアドバイスは「名作といわれる映画や本、音楽、アートブックといった類のものは、絶対にインプットしておくべき」。世の中でよいといわれている作品は、やはりパワーに溢れ、インスパイアされるものがある。また、仕事をともにする多くのクリエイターたちはそういったジャンルに詳しく、世界観の共有につながるというメリットも享受できるという。自身も「寝る前に1本映画を見る」生活を実践しているそうだ。

次の目標はパリ・コレ進出、3~4年以内の実現を目指す

現職に就いたきっかけは、先輩に誘われて展示会へ出かけたことだった。そこで紹介されたのがName.の社長や社員たち。幾度か食事に行くうちに「直営店を出すので手伝ってほしい」と声がかかり、店舗運営の一切を任されることになる。「モード学園在学中のインターンシップで、ファッションブランドの接客を学んだ知識と経験が最大限に活かされましたね」という松坂氏は、東京中のセレクトショップを巡ってディスプレイや接客を勉強するなどして無我夢中でショップの立ち上げに取り組んだ。

そしてオープン後にはプレスの仕事が加わる。「これもまた右も左もわからない世界で…」と戸惑いながら、業界の様々な立場の人に話を聞いたり、他ブランドのプレスと交流を図りながら少しずつ人脈を広げていった。一般的にファッションプレスというのは、ある程度キャリアを積んだ中堅どころのポストであり、松坂氏は断トツに若い。そのことについて「大きなブランドでないぶん早い段階から全部を任せてもらえ、恵まれていた」と語る。もちろん苦労はあったが「1st.ステージが終わって2nd.ステージへ…という地点まできた」と、現状に満足しているという。

ブランドが掲げる次なる目標はパリ・コレ進出だ。「コレクションは、ザ・エンターテインメント。パリというファッションの聖地でブランドの服をまとったモデルたちがランウェイを闊歩する、そのイメージは既にある」そうで、「3~4年以内の実現を目指し、一歩ずつステージを上がっていきたい」と力強く語った。

松坂 生麻/2010年卒
2010年スタイリスト学科卒業。株式会社アイアムが展開する注目のメンズブランド『Name.』の直営店「FURTHER」の出店に参画。プレス、ショップマネジャーを兼任し、多忙な日々を送る。自身が提案するコーディネートを公開しているファッションサイト「WEAR」のフォロワーは20万人を超えるなど、ファッションシーンへの影響力は絶大である。

『Name.』公式サイト
name.i-a-m.jp

※卒業生会報誌「MOGA PRESS」69号(2014年11月発刊)掲載記事