インテリアコーディネーターは、顧客のライフスタイルを把握して生活しやすい環境を整えるお手伝いをする職業です。将来、インテリアコーディネーターとして活躍したいと思っている方のなかには、専門学校と大学のどちらを進学先に選べばよいか迷う方もいるでしょう。
専門学校は、大学に比べて卒業までの期間が短いため、早く就職したい方には向いています。また、専門的な知識を集中して深く学習できるのも専門学校の特徴です。一方、大学ではインテリアコーディネーターに関する学習だけでなく、総合的な教養を身につけられます。
本記事では、インテリアコーディネーターを目指す方の進学先は、専門学校と大学のどちらがよいのかについて解説します。社会人がインテリアコーディネーターになる方法も紹介しているので、参考にしてください。
この記事でおすすめするインテリアコーディネーター専門学校は下記リンクからご覧いただけます。
インテリアコーディネーターとは
インテリアコーディネーターは、お客様の要望に応じて照明や家具を選び、内装を提案する専門家です。この職業は、空間の美しさと機能性を両立させることを目的としています。
仕事内容
インテリアコーディネーターのよくある業務には、いくつかの重要なステップがあります。まず、顧客とのヒアリングを行い、家族構成やライフスタイル、趣味、予算などを把握します。この情報をもとに、空間の全体的な雰囲気やレイアウトを考えるプランニングを行い、壁・床・天井、照明、家具のカラーや素材を計画します。
次に、最終的なイメージプランに基づいて、内装材や家具、照明器具などの商品を選定する商品セレクトを行います。選定した内容は、図面やカタログを用いて顧客にビジュアル的に提案するプレゼンテーションで伝えます。
その後、商品の見積書を作成し顧客に提出するお見積りを行い、商品が決定したら契約手続きを進めます。商品は発注し、納品時には設置作業や最終確認を行う発注・納品のプロセスがあります。
最後に、納品後の不具合がないか確認し、必要に応じてサポートを行うアフターフォローも重要な業務です。これらの業務を通じて、インテリアコーディネーターは顧客の理想の空間作りをサポートしています。
やりがい
インテリアコーディネーターのやりがいは、お客様の満足した姿を見られることにあります。自分の提案が受け入れられ、実際に形になった時の喜びは格別です。
お客様との信頼関係を築きながら、漠然としたイメージを具体化する過程で得られる達成感も大きな魅力です。また、様々な人と出会い、協力しながら仕事を進めることで、自身の成長を実感できる点もやりがいにつながります。この職業は、単なるデザインだけでなく、人とのつながりや感謝の気持ちを感じられる貴重な仕事です。
インテリアコーディネーターになるには?
インテリアコーディネーターになる方法は、大きく分けて以下の3つです。
- インテリアを学べる学校に入学
- インテリアコーディネーターの資格を取得する
- インテリアコーディネーターとして働く
それぞれ詳しく解説します。
インテリアを学べる学校に入学
インテリアコーディネーターは、専門的な知識が必要な職業のため、まずは学校で基本的な理論を学ぶことが一般的です。認知度・知名度がともに高い職種なので、専門学校や大学、短大など、幅広い学び舎で専門知識を習得できる環境が整っています。
なかでも、できるだけ早く実践の場に立ちたい方には、インテリア系の専門学校がおすすめです。短い学習期間でより実践的な知識や技術を身につけられるため、卒業後に即戦力として活躍できます。インテリアコーディネータとして早くキャリアをスタートさせたい方は、専門学校への進学を検討するとよいでしょう。
インテリアコーディネーターの資格を取得する
インテリアコーディネーターとして働くために、必ず取得しなければいけない資格はありません。ただし、業務に関する資格を取得しておくと、仕事の幅が広がるため、活動する際の大きな強みにできます。
そのため、プロとして活躍したい方は、インテリアコーディネーターに関する資格を取得しておくとよいでしょう。専門学校では、資格取得を目指すカリキュラムが組まれていることが一般的なため、試験に挑戦しやすい環境が整っています。
インテリアコーディネーターとして働く
インテリアコーディネーターとして働きたい場合、まずは設計事務所や住宅メーカー、インテリアショップなどに就職して、活動を始めることが一般的です。最初のうちは下積みとして、アシスタントや社員として働きながら実践的な知識と技術を学びます。
ただし、知識や経験が一切ない状態でインテリアコーディネーターを志しても、希望する職種に就ける確率は低いです。企業が求めているのは即戦力となる人材のため、あらかじめ専門的な知識・技術を身につけている人材が優先的に採用されます。
できるだけ早く、確実にインテリアコーディネーターになりたい方は、短い在学期間で実践的な知識を学べる専門学校への進学がおすすめです。
インテリアアドバイザーとインテリアコーディネーターの違い
インテリアアドバイザーとインテリアコーディネーターは、似て非なる職種です。
インテリアアドバイザーは主にクライアントへのアドバイスや提案に特化し、既存の製品から最適な選択をサポートします。
一方、インテリアコーディネーターは空間全体のデザインを担当し、より幅広い知識と技術を要します。インテリアコーディネーターは、個人宅やショールームなどの室内空間を総合的にプロデュースし、時には家具や照明のデザインも行います。
対して、インテリアアドバイザーは主に商品選びや配置のアドバイスに留まります。両者ともクライアントの要望を実現する重要な役割を果たしますが、業務の範囲と深さに違いがあります。
インテリアの専門学校と大学の違い
インテリアコーディネーターを目指して専門知識を学びたい場合、専門学校か大学のどちらかへ進学することが一般的です。それぞれ特徴が異なるため、自分にはどちらが適切か確認してみましょう。
- 学ぶ領域の違い
- 卒業後の進路の違い
- 学費の違い
ひとつずつ、詳しく解説します。
学ぶ領域の違い
専門学校の特徴的なポイントは、インテリアコーディネーターに特化したカリキュラムが組まれていることです。在学中は、実習を中心とした学びを通して、設計事務所や住宅メーカー、インテリアショップなどで即戦力として活躍できるスキルを身につけられます。
一方、大学では、専門学校のようにインテリアに特化した学習ばかりでなく、総合的な教養科目の学習も必要です。全体的な学習量は増えるものの、4年をかけてさまざまな知識を学ぶため、専門学校よりゆったりとしたペースで学習を進められるでしょう。
卒業後の進路の違い
専門学校は、基本的にすぐに働くための知識を身につけることを目的とした学校のため、卒業後は就職する方がほとんどです。業界内に強いつながりを持っていることも多く、大学と比較して就職サポートが充実している傾向にあります。
大学の場合も、卒業後は就職を選択する生徒が多いです。ただし、総合的な学習をしているため、インテリア業界以外でも就職しやすく、さまざまな職種に挑戦する機会を得られます。また、さらに詳しく研究や学習を続けるのであれば、大学院(修士課程)へ進学する道もあります。
ただし、大学の場合、就職サポートは専門学校ほど手厚くないことが一般的です。両者の特徴をよく把握しておき、自身の望む進路に有利になる進学先を選びましょう。
学費の違い
専門学校の学費の相場は、美術・デザイン・写真学科の場合で約225万円です。初年度で約120万円、2年目は入学金を除いた授業料として、約105万円かかります。(※1)
国公立の学費は総額約250万円ほどですが、私立大学だとさらに上がり、約400万円かかります。(※2)選ぶ大学によって学費の総額は大幅に異なるため、進学先を検討する際はトータルの費用を必ず確認しておきましょう。
(※1)参考:令和5年度 学生・生徒納付金調査|公益社団法人 東京都専修学校各種学校協会
(※2)参考:国公私立大学の授業料等の推移|文部科学省
専門学校と大学のそれぞれのメリットとデメリット

専門学校と大学にはそれぞれのメリットがあります。それぞれの特徴を理解して自身にはどちらの学校が適切かチェックしてみましょう。
専門学校のメリット
専門学校のメリットは以下の4つです。
- 実務能力が身につき、即戦力になれる
- 資格取得に向けたサポートが充実している
- 専門的な学習を集中しておこなえる
- 同じ目標を持つ仲間が多くいる
それぞれ詳しく解説します。
実務能力が身につき、即戦力になれる
専門学校は、大学にはない学科や専攻を設置している学校が多く、大学と比べてより深い内容を学べます。専門的な知識と技術のスキルを身につけられるため、就職後すぐに即戦力となれることは、専門学校ならではの大きな強みです。
基礎的な知識を学べることはもちろんのこと、実習施設が充実していたり、実際に現場で活躍しているプロから学べる機会があったりと、多くのメリットがあります。また、基本的に2年で卒業できるようにカリキュラムが組まれているため、早く働き始めたい方には特におすすめな学習環境だといえるでしょう。
資格取得に向けたサポートが充実している
大学にない専門学校ならではのメリットは、資格取得に向けたサポートが充実していることです。資格があると専門知識や技術の習熟度を客観的に示せるため、就活の際も有利にはたらきます。
生徒をひとりずつていねいに指導できるように、少人数制で授業をおこなっている学校も多いです。わからない点があっても質問しやすい工夫が施されているため、学習についていけなくなるリスクは低いでしょう。
資格を取得しやすい環境が整っていることは、専門学校の持つ大きな強みです。
専門的な学習を集中しておこなえる
専門学校では、インテリアコーディネーターの業務に直結した、専門的な学習を集中しておこなえます。就職に必要な知識や技術が身につくよう、卒業までカリキュラムがしっかり組まれていることが特徴です。
大学でも専門的な内容の授業は用意されていますが、4年間すべてではありません。大学では一般的な教養も幅広く学ぶのに対し、専門学校では実践に近いスキルを身につけられます。
同じ目標を持つ仲間が多くいる
専門学校は、特定のジャンルに特化した学科を学ぶために、同じ目標を持った生徒が集まっています。
似通った意志を持つ仲間と切磋琢磨しながら助け合える環境は、モチベーションの維持に効果的です。同じ業種を目指すうえで、考え方や好みも似たメンバーが集まっているため、生涯の付き合いとなる友人ができる可能性も高いでしょう。
専門学校のデメリット
専門学校に通うことのデメリットは以下になります。
学位の取得ができない
専門学校を卒業しても、大学のように「学士」の学位は取得できません。これは、大学院進学や一部の職業に必要な条件となるため、キャリアの選択肢が狭まる可能性があります。学位が求められる職種を目指す場合、専門学校卒では不利になることがあります。
教育内容の幅が狭い
専門学校は特定の職種に特化したカリキュラムが中心で、幅広い知識や教養を学ぶ機会が限られています。これにより、将来的にキャリアチェンジを考える際に必要な知識やスキルが不足する可能性があります。多様な分野に関心がある学生には不向きです。
就職先の選択肢が限られる
専門学校は特定の職業に直結した教育を行うため、卒業後はその分野への就職が一般的です。しかし、業界によっては競争が激しく、希望する職種に就けない場合もあります。大学と比べると、選択肢が狭まることがあります。
実務経験重視で理論が不足
専門学校では実習や演習が重視されるため、理論的な学びが不足しがちです。特に高度な専門知識や理論的思考を必要とする職種では、大学での学びに比べて準備不足となることがあります。これにより、実務に入った際に苦労することも考えられます。
大学のメリット
大学のメリットは以下の3つです。
- 幅広い知識を身につけられる
- 自主性が身につく
- 幅広いネットワークを構築できる
それぞれ詳しく解説します。
幅広い知識を身につけられる
大学では、専攻分野に関する知識だけでなく、一般教養など幅広い知識を身につけられます。
その過程では、興味がなかった学習の面白さを知ったり、未知の分野に興味を持ったりと、新たな発見につながることもあるでしょう。また、夏休みや春休みが長い傾向にあり、短期留学やインターンに充てる時間があることも、大学ならではのメリットといえます。
自主性が身につく
大学ではそれぞれが自分のペースで学習を進めることから、通っている過程で自主性が身につけられます。
専門学校はコースによって基本的なカリキュラムが決まっているため、科目選択の自由度は低いです。しかし、大学では、卒業に必要な単位は各自で管理し、どのような授業を受けるかを自分で決定する必要があります。
また、講義以外にもディスカッションや実験、データ収集といった、実践的な授業もおこないます。そのなかで深い学びを得るためには、積極的に学ぼうとする姿勢が不可欠です。
自ら学習計画を立て実行した経験は、就職後の現場でも大きな強みとなるでしょう。
幅広いネットワークを構築できる
大学では、講義だけでなく、サークル活動やボランティア活動などを通して、さまざまな考えを持つ人と幅広く交流できます。
勉学以外の活動も積極的におこなっていると、自然と他大学や多様な肩書きの方々との交流が盛んになります。違う分野で学んでいる方との出会いからは大きな刺激を得られるため、積極的な交流がおすすめです。また、大学でできた友人は一生の友人となる確率も高く、人生を豊かにしてくれるでしょう。
大学のデメリット
高額な学費
大学の学費は専門学校と比べて一般的に高額です。国立大学でも年間約54万円、私立大学では年間100万円以上かかることも珍しくありません。これに対し、専門学校の学費は大学よりも比較的安価な場合が多いです。
長期間の就学期間
大学は通常4年間の就学期間が必要です。一方、専門学校は1~3年程度で卒業できるケースが多く、より早く社会に出て実務経験を積むことができます。この差は将来のキャリア形成に影響を与える可能性があります。
実践的スキルの習得に時間がかかる
大学では理論や学術的な内容が中心となり、実践的なスキルの習得に時間がかかる傾向があります。専門学校は特定の職業に直結した実践的な教育を行うため、即戦力となるスキルを短期間で身につけられる点で有利です。
選択肢の制限
大学は幅広い分野を学べる一方で、専門学校は特定の職業に特化した教育を行います。これにより、大学で得られる多様な知識や教養が不足し、将来的にキャリアチェンジを考える際に選択肢が狭まる可能性があります。専門学校卒では対応できない職種も存在します。
インテリアの専門学校と大学の選び方
専門学校と大学、どちらを選べばよいのか迷う方もいるでしょう。進学先を検討するときに重視すべきポイントは、以下の4つです。
- キャリアプラン
- 学習スタイル
- 学費
- 資格取得
それぞれ詳しく解説します。
キャリアプラン
専門学校では、実践的な知識を重点的に学ぶため、卒業後は専門に特化した職業に就く学生がほとんどです。業界とのつながりを活かしたきめ細やかなサポートのおかげで、就職率は高い傾向にあります。ただし、専門外の分野への就職を希望すると、基本的にサポートは受けられません。
一方、大学は専門分野から総合的な教養科目までひととおりの知識を学習するため、幅広い職種への挑戦が可能です。しかし、就職に関するサポートは、専門学校と比べると少ない傾向にあります。そのため、大学から就職を希望するのであれば、説明会などに参加するなど、主体的な努力が必要です。
専門学校と大学には、あらゆる面で異なる点が存在します。自分自身の望むキャリアプランを選択できるように、それぞれの違いを明確に把握しておきましょう。
学習スタイル
一般的に専門学校で採用されているのは、短期間で専門的な知識を深く学ぶ学習スタイルです。卒業後すぐに即戦力となれるように、実践的な学習に重きを置いてカリキュラムが組まれています。早く卒業できることはメリットでもありますが、その分、学習スケジュールは忙しいことが多いです。
一方、大学の学習範囲は専門学校に比べて広く、総合的な教養科目の学習も必要です。加えて、卒業に向けた履修計画は、自分自身で立てなければなりません。専門学校のようにカリキュラムが決められているわけではないので、自主性や自己管理能力が求められます。
学費
専門学校と大学を学費の面で比較すると、専門学校のほうが学費は低い傾向にあります。大学は4年をかけて幅広い分野を学びますが、専門学校は基本的に2年で就職後すぐに活躍できる専門知識を身につける学習スタイルだからです。
在籍期間が短い分、専門学校のほうがトータル的にもコストは安く抑えられます。できるだけ学費を抑えたい方や早く就職したい方は、専門学校のほうがおすすめです。
資格取得
専門学校では、学んでいる分野に関する資格については、カリキュラムに含まれた授業を通じて資格取得を目指せます。資格に挑戦しやすい環境が整っていることは、専門学校ならではの大きな強みです。
大学では資格取得に向けたサポートはないことが多く、情報収集も勉強も基本的に自分でおこないます。一方で、大学を卒業すると『学士』の学位が授与されます。大学を卒業したという学歴が得られれば、学んだ分野以外にも幅広い分野への挑戦が可能です。
それぞれメリットとデメリットがあるため、自分にとってどちらが向いているのか、事前によく考えておくことが大切です。
社会人からインテリアコーディネーターを目指すなら

社会人からインテリアコーディネーターを目指す際に押さえておきたいポイントは、以下の3つです。
- 専門学校なら働きながら通うことが可能
- 「学びなおし」のメリット
- 社会人から専門学校に通う場合に注意したいポイント
それぞれ詳しく解説します。
専門学校なら働きながら通うことが可能
社会人であっても、働きながらインテリアコーディネーターを目指すことは可能です。
近年では、社会に出て新たに興味のあるジャンルに出会ってから、その職業を志す方々が増えています。さまざまな仕事に挑戦できるようになった一方で、ほとんどの方が仕事と学習を同時に進めるため、日常生活への負担は大きいです。そのため、社会人から新たな職業を目指す場合は、学習しやすい環境を用意する必要があります。
専門学校のなかには社会人向けのコースが組まれている学校もあり、働きながら学習したい方には特におすすめです。社会人がインテリアコーディネーターへの転職を目指すのであれば、専門学校への入学を検討するとよいでしょう。
夜間学校やオープンカレッジ、通信教育など
働きながらインテリアコーディネーターの学習がしたいのであれば、夜間学校がある専門学校やオープンカレッジ、通信教育などの選択肢があります。自分が通いやすい環境で学習できる場所を見つけることが大切です。
例えば、全日制の専門学校は2年で卒業ですが、夜間になると3年制となっている学校もあります。通信教育は手軽で便利ですが、ひとりで学習することになるため、モチベーションを保ちにくいです。
なるべくすぐに質問できる環境があったほうが、学習を継続しやすくなります。職場や家族の状況と相談しながら、無理なく学べる環境を選択しましょう。
「学びなおし」のメリット
社会人が『学びなおし』をすると以下のメリットがあります。
- 資格が取得できる
- 専門知識や専門的なスキルを身につけられる
- 就職に強くなる
- 教育訓練給付金が利用できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
資格が取得できる
社会人でも、専門学校で学びなおしながら、専門分野の資格取得を目指せます。現在の職場で働きながら希望する分野の資格を取得できることは、専門学校の魅力のひとつです。
資格を取得することで、卒業後の選択肢は大幅に広がります。異なる業種にも挑戦しやすくなるため、転職活動にも役立てられるでしょう。
専門知識や専門的なスキルを身につけられる
専門学校では、実際に現場で活躍できる専門知識や実践的なスキルを身につけられます。就職に必要な知識を教えてくれる講師陣は、現役のプロであるケースが多く、インターン実習や実際の現場での実習も豊富です。
また、専門学校は少人数制の場合が多く、わからないことがあればマンツーマンで教えてもらえます。個別のサポート体制が充実していることは、専門学校ならではの大きな強みだといえるでしょう。
就職に強くなる
専門学校に入学すれば、卒業後の就職まで、徹底したサポートをおこなってくれます。各学校によりサポート体制は異なるものの、一般的にはキャリアカウンセラーへの相談や担任による個別指導が実施されることが多いです。
進路に迷いがあったとしても、信頼できるプロが現役の目線で相談にのってくれるため、時間をかけて答えを導きだせます。また、試験対策も手厚く、業界とのつながりを活かした求人の紹介や模擬面談などで、内定に向けたサポートも積極的におこなってくれるでしょう。
教育訓練給付金が利用できる
インテリアコーディネーターは、教育訓練給付制度の対象となる資格のため、一定の需給要件を満たす方であれば、受講費用を安く抑えられます。
社会人として働いていても、新たに専門学校に通うとなれば、金銭面の不安を抱えている方は多いです。そこで、厚生労働省は「学びなおし」を推奨するため、特定の教育訓練にかかる費用を補助する教育訓練給付制度を設けています。なかでもインテリアコーディネーターは、受講費用の20%(上限10万円)が訓練修了後に支給される『一般教育訓練給付』(※)の対象です。
わからないことがあればハローワークで質問できるため、利用を検討している方は気軽に相談するとよいでしょう。
※参考:教育訓練給付制度|厚生労働省
社会人から専門学校に通う場合に注意したいポイント
社会人から専門学校に通う場合の注意したいポイントは以下の3つです。
- 目標を明確にする
- 社会人向けの募集をしている学校を探す
- 職場の理解を得る
それぞれ詳しく説明します。
目標を明確にする
社会人が専門学校で学びなおす場合、目標を明確にしておくことが大切です。専門学校は特定の職種の学習を深くおこなうため「入学してみたもののやっぱり学びたいことと違う」と思ってしまうと後悔することになります。
仮に入学時点ではっきりと目標がなくても「こんな場所で働きたい」、「こんな働き方がしたい」とイメージがあるだけでも、進路は決定しやすいです。せっかくの学びを無駄にしないためにも、入学前に自分の進みたい方向性を明確にしておきましょう。
社会人向けの募集をしている学校を探す
働きながら専門学校へ通うのであれば、社会人向けのコースがある学校を探す必要があります。
通常の専門学校は昼間の授業が多く、働きながら通うことは困難です。また、受講費用の補助が受けられる教育訓練給付制度は、すべての専門学校が対応しているわけではありません。対象外の口座に申し込むと給付が受けられないため、注意する必要があります
候補の専門学校が見つかったらホームページやパンフレットを確認して、学習スタイルや学費など、詳細な情報を収集しておきましょう。
職場の理解を得る
社会人が専門学校で学びなおしをする際は、できるだけ職場の理解を得ておくことも大切です。
通学がある日に残業などが発生すると、別の日に補習を受けなければいけません。別の日に補修を受けるとなると、日程の調整をしたり学習が遅れてしまうリスクがあります。そのような事態を避けるためには、職場に対する事前の相談が不可欠です。
専門学校へ通う際は、通う期間や目的、配慮してもらいたいことなどをあらかじめ相談しておくとよいでしょう。
インテリアコーディネーターに求められるスキル
インテリアコーディネーターに求められるスキルは以下の4つです。
- コミュニケーションスキル
- 柔軟性
- 数字への理解
- インテリアや建築への興味
それぞれ詳しく説明します。
コミュニケーションスキル
インテリアコーディネーターに求められるスキルとして、まず第一にコミュニケーションスキルが挙げられます。豊富な知識があっても依頼主が希望する空間を表現できなければ、満足してもらえることはありません。
さらに、仕事を円滑に進めるためには、依頼主へのていねいなヒアリングや設計者・施工関係者との積極的なコミュニケーションが鍵を握ります。相手の意見をしっかり聞くことと、自分の意見をわかりやすく伝えることを意識することが大切です。
インテリアコーディネーターを志すのであれば、普段から積極的に人と関わり、コミュニケーションスキルを磨いておくとよいでしょう。
柔軟性
インテリアコーディネーターは、依頼主の要望に応えることも業務のひとつです。提案したコーディネートで納得が得られない場合は、その都度ヒアリングを重ねながらアイデアを変更する必要があります。
大切なことは、自分の持っている知識やセンスを活用しつつ、依頼主の要望に応えることです。自分のこだわりを主張するより、依頼主に合わせた提案をできる柔軟性を持った方が、インテリアコーディネーターに向いています。
数字への理解
インテリアコーディネーターの仕事には、建物の設計や図面など、数字への理解も必要です。ほかにも見積書や資料を作成する際に、数字に触れる機会があります。
そのため、数字に抵抗がある方は、デザイン以外の業務で苦労する側面があるかもしれません。反対に、数字への理解度が高く細かい計算が得意な方は、インテリアコーディネーターに向いているでしょう。
インテリアや建築への興味
インテリアコーディネーターは、普段から時代にニーズに合った建物や、インテリアへの興味を持ち続けることが大切です。日常で培った感性をもとに、依頼主の好みに合わせてデザインを提案すれば、よりよい空間が生まれます。
常に最新の情報に対応するために、インテリアや建築に関する情報を日々チェックしたり、インテリアショップや展示会などに訪れたりする習慣を身につけるとよいでしょう。
インテリアコーディネーターに関する資格

ここからは、インテリアコーディネーターに関する資格を3つ紹介します。
- インテリアコーディネーター
- インテリアプランナー
- 一級建築士
資格を取得しておけば、活躍の場が広がるため参考にしてください。
インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターは、公益社団法人インテリア産業協会が認定する資格です。インテリア業界では特に有名な資格で、歴史や仕事内容、インテリアコーディネーターに必要な知識、法律などについての知識が問われます。
受験資格はなく、年齢や学歴の縛りもないため、誰でもチャレンジすることが可能です。
試験は1次・2次に分かれており、一次試験の通過者のみが、別の日程で開催される2次試験を受験します。1次試験はコンピューターを使った解答選択方式で、2次試験は記述方式です。両方の試験に合格した方のみが、晴れてインテリアコーディネーター資格を取得できます。
参考:インテリアコーディネーター資格試験|公益社団法人インテリア産業協会
インテリアプランナー
インテリアプランナーは、公益社団法人建築技術教育普及センターが認定する資格です。試験内容は、学科試験と設計製図試験の2段階に分かれています。学科ではインテリアプランニングに必要な知識や法律について問われます。製図試験で評価されるのは、製図に関する基本的な知識・技術と、設計課題を表現するスキルです。
インテリアコーディネーター同様、受験資格は特になく、年齢や学歴、職業などの縛りもありません。学科試験のみの合格でも、登録すれば「アソシエイト・インテリアプランナー」の称号が付与されます。設計製図試験まで合格できれば、デザインだけでなく建築設計に関しても知見のあるインテリアコーディネーターになれるでしょう。
一級建築士
一級建築士は、国務大臣によって免許が交付される国家資格です。取得すれば、制限なくすべての建物の建築に携わることができます。ただし、受験の対象となるのは、以下の資格を満たした方のみです。
- 大学、短期大学、高等専門学校、専修学校等において指定科目を修めて卒業した方
- 二級建築士
- 建築設備士
- その他国土交通大臣が特に認める方(外国大学を卒業した方等)
試験は学科試験と設計製図試験の段階に分かれており、基礎から応用まで幅広い知識が問われます。難易度の高い資格であるため、取得できれば活動するうえで大きな強みとなるでしょう。
インテリアコーディネーターの将来性
近年では、生活様式の多様化や社会的ニーズの変化から、インテリアコーディネーターが活躍する場所は増えてきています。ここからは、インテリアコーディネーターの将来性について以下の3つを紹介します。
- ライフスタイルの多様化
- 住宅リフォーム市場の拡大
- 商業施設での需要
ひとつずつ、詳しく見ていきましょう。
ライフスタイルの多様化
近年では、インテリアコーディネーターの個人宅への需要が増えてきています。
かつて、インテリアコーディネーターが活躍できる場所は、商業施設が中心でした。しかし、生活様式の多様化やコロナ禍以降の暮らしの変化によって「自宅をもっとおしゃれな空間にしたい」、「落ち着いた環境で在宅ワークがしたい」という方が増えています。暮らしやすい空間づくりや安全性の追求には、専門的な知識が必要です。そのため、インテリアコーディネーターの個人宅への需要は、急速な高まりを見せています。
今後、知識と経験が豊富なインテリアコーディネーターは、個人宅の新築・改築の際にも重宝されていくでしょう。
住宅リフォーム市場の拡大
古民家の再生や中古物件の改築など、住宅リフォーム市場においてもインテリアコーディネーターの需要は高まっています。
近年の日本では、少子高齢化や人口減少などの問題により、増加している空き家への対策が不可欠です。そのため、空き家を活用するリノベーションの取り組みは、各地で積極的におこなわれています。
今後の需要拡大にともなって、インテリアコーディネーターの活躍の場は、さらなる広がりが期待できるでしょう。
商業施設での需要
個人宅への需要が増えてきたといっても、商業施設での需要が衰えているわけではありません。商業施設やオフィス空間に快適さや癒しを求める方は増えており、インテリア性の高い空間づくりの需要は増加傾向にあります。
特に、商業施設を運営する企業にとって、顧客のニーズに合わせた空間づくりは、ビジネスの成果に直結する重要な要素です。特に建築設計に関して深い知識を持っているインテリアコーディネーターは、商業施設など、大型建築の仕事にも重宝されるでしょう。
モード学園のインテリア学科で学びませんか?

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インテリアコーディネーター専門学校に関するよくある質問
インテリアコーディネーター専門学校に関するよくある質問をまとめました。
どのような奨学金制度がありますか?
多くの専門学校では、日本学生支援機構の奨学金や学校独自の奨学金制度が利用可能です。成績優秀者向けの給付型奨学金や、経済的支援が必要な学生向けの貸与型奨学金などがあります。また、一部の学校では特待生制度や入学金免除制度も設けています。
専門学校と短期講座の違いは何ですか?
専門学校は2〜3年間の体系的なカリキュラムで、幅広い知識と技術を習得します。一方、短期講座は数ヶ月程度で特定のスキルに焦点を当てた学習を行います。専門学校は就職支援も充実しており、より深い学びが可能です。
未経験者でもインテリアコーディネーターを目指せますか?
はい、可能です。多くの専門学校では、未経験者向けのカリキュラムが用意されています。基礎から学べるため、高校での専攻に関わらず入学できます。ただし、色彩感覚や空間把握能力があると学習がスムーズに進むでしょう。
インターンシップや実習の機会はありますか?
多くの専門学校では、インターンシップや実習の機会が提供されています。これらの経験を通じて、実際の現場での仕事の流れや、クライアントとのコミュニケーション方法を学ぶことができます。就職活動にも役立つ貴重な機会となります。
デザインソフト(例:AutoCAD、SketchUp)はどの程度学べますか?
多くの専門学校では、AutoCADやSketchUpなどの業界標準のデザインソフトを使用した授業が行われています。基本的な操作から実践的な使用方法まで、段階的に学ぶことができます。ソフトの種類や学習レベルは学校によって異なります。
建築や空間デザインに関する知識も学べますか?
はい、学べます。インテリアコーディネーターには建築や空間デザインの知識も必要です。多くの専門学校では、建築基礎、構造、設備、法規などの科目も設けられており、総合的な空間デザインのスキルを身につけることができます。
カラーコーディネートや照明デザインの授業はありますか?
はい、あります。カラーコーディネートと照明デザインは、インテリアデザインの重要な要素です。多くの専門学校では、色彩学や照明計画の授業が設けられており、理論と実践を通じてこれらのスキルを習得できます。
卒業すれば自動的に資格が取得できるのですか?
いいえ、卒業だけでは資格は取得できません。インテリアコーディネーター資格は、公益社団法人インテリア産業協会が実施する試験に合格する必要があります。ただし、多くの専門学校では資格取得のためのサポート体制が整っています。
資格試験の合格率はどれくらいですか?
インテリアコーディネーター資格試験の合格率は、年によって変動しますが、一般的に20〜30%程度です。専門学校の学生は、体系的な学習と試験対策により、一般受験者よりも高い合格率を示す傾向があります。
資格がなくてもインテリア業界で働けますか?
はい、資格がなくても働くことは可能です。ただし、資格を持っていると就職や昇進に有利になります。多くの企業では、資格取得を奨励しており、入社後に資格取得を目指す人も多いです。実務経験を積みながら資格取得を目指すこともできます。