美容師としてカットやカラー、パーマなどの施術を仕事にするには、国家資格である美容師免許が必要です。免許を取得するためには、指定された美容師養成施設で必要な知識・技術を学んだうえで、美容師国家試験に合格しなければなりません。
この記事では、美容師免許の取得方法や必要な期間、国家試験の内容・合格率、取得にかかる費用を詳しく解説します。
美容師免許を活かせる職業や関連資格、年収、将来性についても紹介するので、美容業界を目指している方はぜひ参考にしてください。
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美容師免許とは

美容師免許とは、美容師法に基づいて厚生労働大臣から交付される国家資格です。美容を仕事として行うために必要な資格であり、技術だけでなく、衛生管理や人体、薬剤などに関する専門知識を身につけていることも求められます。
美容師免許でできること
美容師法では、”美容”を以下のように定義しています。
美容とは「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」とされており、染毛やまつ毛エクステンションも美容行為に含まれる。なお、美容師がカッティングを行うことは差し支えない。
美容師免許を持っていない人は、こうした美容行為を反復・継続して仕事として行うことはできません。有料・無料であるかどうかも問われません。
美容師免許が必要となる代表的な施術には、次のようなものがあります。
- ヘアカット
- ヘアカラー
- パーマ
- シャンプー
- ヘアセット・結髪
- メイク
- まつ毛エクステンション
- まつ毛パーマ
- 眉毛を整える施術など
厚生労働省は、染毛やまつ毛エクステンションについても美容行為に含まれるとしています。特にまつ毛エクステンションは美容師免許が必要で、原則として届出済みの美容所で施術しなければなりません。
一方、受付・会計、電話対応、清掃、タオルの洗濯といった、お客様に美容施術を行わない業務であれば美容師免許は必要ありません。
なお、着付けそのものは美容師免許がなければできない行為ではありません。ただし、婚礼の着付けなどとあわせて結髪や化粧を業として行う場合、これらは美容行為に該当するため美容師免許が必要です。
美容師免許を取得しないまま美容業として行った場合は、美容師法により30万円以下の罰金の対象となります。また、無免許営業をした人には、その後美容師免許が与えられない場合もあります。
美容師免許を取得するには?
美容師免許は、国家試験だけを受験して取得できる資格ではありません。まず、都道府県知事が指定する美容師養成施設で所定の課程を修了し、美容師国家試験の受験資格を得る必要があります。
美容師免許を取得する基本的な流れは、次のとおりです。
- 指定された美容師養成施設に入学する
- 必要な学科・実習を修了する
- 美容師国家試験を受験する
- 実技試験・筆記試験の両方に合格する
- 美容師免許を申請する
- 美容師名簿への登録後、免許証が交付される
重要なのは、美容師国家試験の受験資格を得られる「指定美容師養成施設」であるかを入学前に確認することです。美容を学べるスクールであっても、指定を受けていなければ国家試験の受験資格は得られません。
美容師養成施設には主に、昼間課程・夜間課程・通信課程があります。
| 課程 | 修業期間 | 特徴 |
|---|---|---|
| 昼間課程 | 2年以上 | 日中を中心に授業や実習を受け、集中的に技術を学びやすい |
| 夜間課程 | 2年以上 | 日中に仕事などをしながら通いやすい |
| 通信課程 | 3年以上 | 自宅学習とスクーリングを組み合わせ、仕事と両立しやすい |
厚生労働省では、通常課程では昼間・夜間が2年以上、通信が3年以上と定められています。
また、法律上は当分の間、中学校卒業者が入所できる特例も設けられています。実際の入学資格は養成施設によって異なり、高校卒業以上を条件としている学校も多いため、志望校の募集要項を確認しましょう。中学校卒業後から美容師を目指せる高等専修学校という選択肢もあります。
年齢については、美容師国家試験そのものに上限は設けられていません。そのため、社会人になってから美容師を目指すことも可能です。
免許取得までの最短期間は2年
美容師免許を最短で目指す場合、基本的には2年以上の昼間課程または夜間課程を修了するルートとなります。通信課程は3年以上必要なため、取得までの期間を優先するのであれば昼間・夜間課程が候補になります。
ただし、「2年間学校に通えばその時点で美容師になれる」というわけではありません。養成施設を修了したうえで国家試験に合格し、その後に美容師免許の申請を行う必要があります。
美容師国家試験は年2回実施されています。2026年の第54回試験では、実技試験が8月1日から、筆記試験が9月6日に実施され、合格発表は9月30日です。
試験合格後に免許申請を行い、申請内容に不備がなければ、免許証の交付までは受付後おおむね2〜4週間かかります。
実際に美容師として業務を行えるようになるまでには、養成課程の修業期間に加えて国家試験・免許申請の期間も考えておきましょう。
美容師になるには?資格取得のルートから試験対策、将来のキャリアまで徹底解説
美容師免許の試験内容

美容師国家試験は、公益財団法人理容師美容師試験研修センターが実施しており、実技試験と筆記試験の両方に合格する必要があります。通常は年2回行われ、実技試験は2月頃・8月頃、筆記試験は3月頃・9月頃に実施されます。
試験内容は、大きく次の2つです。
- 筆記試験
- 実技試験
筆記試験
筆記試験では、美容師として安全に施術するための法制度や衛生管理、人体、毛髪、薬剤、美容技術などに関する知識が問われます。
第54回美容師国家試験では、次の分野が試験課目とされています。
- 関係法規・制度および運営管理
- 衛生管理(公衆衛生・環境衛生、感染症、衛生管理技術)
- 保健(人体の構造および機能、皮膚科学)
- 香粧品化学
- 文化論
- 美容技術理論
単にカットやパーマの方法を覚えるだけではなく、美容師法、感染症対策、皮膚や毛髪の構造、化粧品・薬剤の成分や作用などを幅広く理解しておく必要があります。
直近の第53回試験では、筆記試験は55問で、合格するには次の2つの条件を満たす必要がありました。
- 55問中60%以上正解する
- 各課目に無得点の分野がない
全体で6割以上正解していても、一つの課目が0点の場合は合格できません。そのため、得意分野だけを伸ばすのではなく、苦手分野を残さず学習することが重要です。
参考:公益財団法人 理容師美容師試験研修センター「第54回理容師・美容師国家試験受験案内」
参考:公益財団法人 理容師美容師試験研修センター「第53回 理容師国家試験及び美容師国家試験の合格基準」
実技試験
実技試験ではモデルウィッグを使用し、美容師に必要な基礎技術と衛生上の取り扱いが審査されます。
第1課題はカッティング、第2課題は試験回によって「ワインディング」または「オールウェーブセッティング」が指定されます。2026年の第54回試験では、第2課題としてワインディングが指定されています。
| 課題 | 主な内容 | 制限時間の目安 |
|---|---|---|
| 第1課題 | カッティング | 20分 |
| 第2課題 | ワインディング | 20分 |
| 第3課題 | オールウェーブセッティング | 20分 |
カッティングでは指定されたスタイルを正確に仕上げる技術、ワインディングではロッドの配置や巻き方、全体のバランスなどが審査されます。オールウェーブセッティングでは、ウェーブやカールを規定どおりに構成する技術が必要です。
また、作品の完成度だけでなく、器具の衛生的な取り扱いや作業時の衛生管理も審査対象となります。
第53回美容師国家試験では、実技試験について以下が合格基準でした。
- 衛生上の取扱試験:減点20点以下
- 第1課題カッティング:減点30点以下
- 第2課題:減点30点以下
つまり、技術的に作品を完成させるだけでなく、試験中の衛生管理や用具の取り扱いまで含めて対策する必要があります。
試験課題や採点基準は変更される可能性があるため、受験する回の最新の受験案内・審査マニュアルを必ず確認しましょう。
参考:公益財団法人 理容師美容師試験研修センター「第54回理容師・美容師国家試験受験案内」
参考:公益財団法人 理容師美容師試験研修センター「理容師・美容師実技試験審査マニュアル」
参考:公益財団法人 理容師美容師試験研修センター「第53回 理容師国家試験及び美容師国家試験の合格基準」
美容師免許の合格率と難易度
美容師国家試験の合格率は試験回によって大きく異なります。直近4回の美容師国家試験の受験者数・合格者数・合格率は次のとおりです。
| 試験回 | 受験者数・合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|
| 第53回 | 19,850人/17,273人 | 87.0% |
| 第52回 | 4,569人/2,989人 | 65.4% |
| 第51回 | 19,776人/17,427人 | 88.1% |
| 第50回 | 4,763人/2,622人 | 55.0% |
春に合格発表される試験では80%台後半となる一方、秋に合格発表される試験では50~60%台となるなど、試験回によって差があります。
ただし、合格率だけを見て「簡単な資格」と判断するのは適切ではありません。
美容師国家試験は、指定養成施設で所定の課程を修了した人しか原則として受験できません。受験者の多くが学校で専門的な授業や国家試験対策を受けたうえで受験していることを踏まえる必要があります。
また、筆記では各課目を幅広く学ばなければならず、実技では限られた時間内で規定どおりに技術を完成させる正確さとスピードが求められます。
日頃から学科と実技をバランスよく学び、本番と同じ時間制限のなかで繰り返し練習することが合格への近道です。
美容師免許の取得までにかかる費用

美容師免許を取得するためには、養成施設の学費だけでなく、国家試験の受験料や免許申請費用、教材・道具代なども必要です。学費は通う学校や課程によって大きく変わるため、入学前に卒業までの総額を確認しておきましょう。
一般的な学費の目安は次のとおりです。
| 項目 | 費用の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 昼間課程 | 約170~320万円程度 | 2年間の学費の目安 |
| 夜間課程 | 約150~250万円 | 学校によって修業年数・費用が異なる |
| 通信課程 | 約50~100万円 | 3年間の学費の目安 |
| 国家試験受験料 | 34,700円 | 実技・筆記の両方を受験する場合 |
| 登録免許税 | 9,000円 | 新規免許申請時 |
| 登録事務手数料 | 5,200円 | 新規免許申請時 |
2026年の第54回美容師国家試験では、実技試験と筆記試験の両方を受ける場合の受験手数料は34,700円です。一部免除によって実技のみを受ける場合は18,800円、筆記のみの場合は15,900円となっています。別途、システム利用料がかかります。
さらに、免許申請では医師の診断書や戸籍抄本・住民票なども必要になるため、診断書発行料や書類取得費、郵送費なども発生します。
美容学校によっては学費に教材費や実習用具代が含まれていないケースもあります。ハサミやウィッグ、制服、教科書などにまとまった費用がかかる場合もあるため、単純な「授業料」だけではなく、卒業・免許取得までに必要な総額で比較することが大切です。
美容師免許を活かせる職業や働き先は?
美容師免許を取得すると、美容室でヘアスタイリストとして働く以外にも、目元・ヘアメイク・ブライダル・訪問美容などさまざまな分野で専門性を発揮できます。経験や追加スキルを身につければ、将来の働き方もさらに広げられます。
美容師免許を活かせる代表的な職業には、次のようなものがあります。
| 職業 | 主な仕事内容 |
|---|---|
| ヘアスタイリスト | 美容師としての基本的な知識をもって、カット・カラー・パーマなどの施術をおこなう |
| カラーリスト | ヘアカラーを専門に担当し、毛髪や薬剤、色彩に関する知識を活かして施術する |
| アイリスト | まつ毛エクステなどの施術を行い、美容師免許を活かして目元の美容サービスを提供する |
| アイブロウリスト | 眉のデザインや施術を行い、顔立ちに合わせた提案や美容技術を活かす |
| ヘアメイクアーティスト | ヘアセットやメイクを行い、撮影・舞台・ブライダルなど幅広い現場で美容技術を活かす |
| 訪問美容師 | 自宅や施設などを訪問し、来店が難しい人にカットやヘアケアなどの美容サービスを提供する |
| スパニスト | 頭皮や毛髪のケアを行い、美容師として身につけた毛髪・頭皮の知識や施術技術を活かす |
美容室に就職した場合は、アシスタントとして経験を積み、スタイリスト、トップスタイリスト、店長などを目指すのが代表的なキャリアです。その後、独立して自分の美容室を開業したり、フリーランスとして活動したりする道もあります。
また、美容所への来店が難しい人を対象とした訪問美容も、美容師免許を活かせる分野の一つです。厚生労働省は、認知症や障害、寝たきりなどによって美容所へ来ることが難しい人などを出張美容の対象として示しています。
美容師免許は一つの仕事だけに限定される資格ではありません。ヘア、アイ、メイク、ブライダルなど自分が得意とする分野を深めることで、長期的なキャリアの選択肢を増やせます。
美容師免許に関連するその他の資格

美容師免許に加えて、美容やファッションに関する資格・検定を取得すると、専門性や提案力を高めやすくなります。
将来目指す職種や得意分野に合わせて資格を選ぶことがポイントです。
| 資格・検定 | 活かせる分野 | 取得するメリット |
|---|---|---|
| 管理美容師 | 美容室の衛生管理・店舗運営 | 複数の美容師が働く店舗の管理に役立つ |
| 色彩検定 | ヘアカラー・ファッション | 肌・髪・服装を含めた色の提案力を高められる |
| 着付け技能士 | 成人式・結婚式・ブライダル | 着物の着付けに関する専門技能を証明できる |
| ネイリスト関連資格 | ネイル・トータルビューティー | ヘア以外の美容サービスにも対応しやすくなる |
| メイクアップ関連資格 | メイク・ブライダル・撮影 | 顔立ちやシーンに合わせた提案力を伸ばせる |
| ビューティ・コーディネーター関連資格 | カウンセリング・提案 | 美容サービスを総合的に提案する力を高められる |
なかでも管理美容師は、将来美容室の運営や管理に携わりたい人に重要です。美容師が常時2人以上働く美容所では管理美容師を置く必要があります。管理美容師になるためには、美容師免許取得後に3年以上美容業務へ従事し、所定の講習会を修了しなければなりません。
また、色彩に関する知識を身につければ、ヘアカラーだけでなく、お客様の肌やファッションを考えたカラー提案にも活かせます。着付けの技能があれば、成人式や卒業式、結婚式などの需要にも対応しやすくなるでしょう。
さらに、ネイル・メイク・ビューティーコーディネートなどを学ぶことで、ヘアだけにとどまらないトータルビューティーの提案が可能になります。美容師免許を軸に関連スキルを組み合わせることが、働き方の幅を広げる方法の一つです。
美容師に関するよくある質問
美容師を目指す際は、資格の取り方だけでなく、実際の収入や将来性について気になる方も多いでしょう。ここでは、厚生労働省などの公的データをもとに、美容師の仕事に関する代表的な疑問に答えます。
美容師の年収はいくらですか?
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、美容師の全国平均年収は388.5万円です。これは令和7年賃金構造基本統計調査をもとに算出された数字で、平均年齢は30歳となっています。
ただし、美容師の収入は経験年数や役職、勤務先、地域、指名数などによって大きく変わります。アシスタントとスタイリストでは給与体系が異なるほか、店長やトップスタイリストになったり、独立・フリーランスとして活動したりすることで収入が上がるケースもあります。
美容師は、自営・フリーランスで働く人も多い職業でもあります。技術だけでなく、接客力や集客力、リピートにつなげる提案力なども収入を左右しやすい仕事といえるでしょう。
美容師は将来性のある仕事ですか?
美容師は、国家資格を取得すれば全国で技術を活かしやすく、経験を積みながら長く続けることができる職業です。
従来の美容室勤務だけでなく、アイリストやヘアメイク、訪問美容、フリーランスなど働き方も多様化しています。
特に高齢化が進むなかでは、美容室への来店が難しい高齢者などを対象にした訪問美容も重要なサービスになっています。厚生労働省も、高齢化の進展によって出張理容・出張美容への社会的ニーズが高まっているとしています。
さらに、予約アプリやSNS、電子カルテなどデジタル技術の活用も進み、美容師自身が情報発信や顧客管理、集客を行いやすい環境になっています。
一方で、資格を取れば自動的に長く活躍できるわけではありません。トレンドや技術、薬剤、接客方法などを継続して学び、自分の強みをつくることが大切です。美容師免許を土台に時代に合った技術やサービスを身につけていけば、キャリアを広げながら長期的に活躍しやすいでしょう。
美容師免許の取得を目指すなら『モード学園』
モード学園の美容学科では、昼間部2年制で美容師国家資格の取得を目指せます。国家試験の合格に必要な知識・技術を身につけるだけでなく、卒業後に美容業界の現場で活躍することを見据えた実践的な学びを重視しています。
授業では、カットやカラーなどの美容技術に加え、業界の第一線で活躍するプロから直接学べる機会も用意しています。また、カラーやネイル、ビューティ・コーディネートなど幅広い分野に触れられるため、美容師を軸に自分の得意分野や将来の可能性を広げられるのも特徴です。
さらに、就職に向けたサポートを行っているほか、万一美容師国家試験に合格できなかった場合も、卒業後の学びを支援する「国家資格 合格保証制度」を設けています。
資格取得から就職まで一貫してサポートできる環境を整えているので、美容師として長く活躍できる力を身につけたい方は、ぜひお気軽に資料請求やオープンキャンパスへお申し込みください。
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美容学科

<美容師『国家資格 合格保証制度』対象コース>ヘアスタイリスト専攻 / ヘアカラーリスト専攻
美容師国家資格取得、希望のサロンへの就職は、ヘアスタイリスト、ヘアカラーリストを目指すキミにとって当然の目標。しかし、基本知識・技術修得だけをターゲットにするのではなく、将来、トップスタイリストとして活躍する人材を育成することが、モード美容学科の使命です。
美容学科 通信コース

<美容師『国家資格 合格保証制度』対象コース>
働きながら、学びながら、通信制で美容師の資格取得を目指す!3年間の通信教育+スクーリング(面接授業)により、美容師の資格取得を目指します。
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