フランス婦人服プレタポルテ連盟会長兼ネリーロディ社社長を務める ピエール・フランソワ・ル・ルエ氏による特別講義を実施
ファッション、ビューティ、インテリア、テクノロジーなど幅広い分野でのマーケティングコンサルティングを行うネリーロディ社の代表取締役社長であり、同時にフランス婦人服プレタポルテ連盟会長として、フランスのファッション業界を牽引するピエール・フランソワ・ル・ルエ氏による特別講義が実施されました。
フランス婦人服プレタポルテ連盟とは、フランス全土のプレタポルテ関連企業を結集し代表する組織。デジタルトランスフォーメーション、流通、財務、サステナブルな商品開発、輸出、研修などにおいて企業の運営をサポートし、フランスのファッション業界発展を推進しています。
今回、ファッションデザイン学科の山波希未さんがMCをし、ファッション技術学科の前田奈緒さんがサポート。学生を代表し、英語でル・ルエ氏とコミュニケーションをとりながら講義の進行をしました。
講義テーマは『デジタル化とサステナビリティ:フランスファッション業界がつくる未来』。
コロナによるパンデミックにより、ファッション業界ではデジタル化のさらなる加速と、サステナビリティに関する関心の高まりが顕著になったとル・ルエ氏は言います。
フランスでは2022年の1月よりブランド側が消費者に対して、誰がどこでどういった繊維や素材を使ってつくっているのかまで開示する法令が施行され、業界全体の透明性を上げる動きが加速しているとのことです。 またこういった動きは、デザインをする時点から素材を考える必要のあるデザイナーにとって、大きな影響を与えているそうです。
デジタル化の面でも、最新のトレンドを素早く届ける「ファストファッション」のスピードをさらに上回る「ウルトラファストファッション」の台頭や、スマートフォン1つで店舗の担当者とコミュニケーションを取ることのできるシステム、オンライン上で見栄えのするデザインへのシフトなど、働き方やものづくりの流れにおいて従来と比べてまったく新しい世界になったと言います。
講義は質疑応答をまじえながら進行。ル・ルエ氏から若いブランドの成長へのアドバイスとして、「立ち上げ時期はチームを形成してアイデンティティを確立すること」、「中長期はチームをマネジメントするスキルを身につけること」とお言葉をいただきました。
ル・ルエ氏は、進化の途中にあるファッション業界の中で、どういった道を選ぶのかは運命の分かれ道になると言います。
最後に、「ファッション業界をさらに大きくしていくために、学生の皆さんと協力しながら進んでいきたい」と締めくくってくれました。
コロナ禍により大きな影響を受け、変化の多いファッション業界ですが、社会問題に関心を持ち、理解を深めながら新しい価値やサービスを生み出していきましょう。